The 2020 Streaming Media Readers’ Choice AwardでAWSサービスが4冠を達成しています!
はじめに
清水です。re:Invent 2020開催期間中ですが、本エントリでは少しそれた話題をお届けします。Streaming Mediaというサイトで行われたThe 2020 Streaming Media Readers' Choice Awardという賞でAWSのサービスが各分野で受賞、4冠を達成しました!こちらの賞はメディアストリーミング製品やサービスを毎日使用するエンドユーザによって選ばれるもので、今年は2,200人以上の有権者が26のカテゴリで25,000以上の票を投じたとのことです。その中でAWSの各サービスが、各分野のトップ(Winner)として4冠、そしてトップ以外に2つ選ばれる次点者(準優勝、Runners-Up)として3つのサービスが表彰されました!!
詳細については、Streaming Magazineのサイトのエントリをご参照ください。
ちなみにこちらのAward自体を知るきっかけは、やっぱり!?AWS Media Blogだったりします。下記のブログエントリも合わせてご参照ください。
本エントリでは、今回のThe 2020 Streaming Media Readers' Choice AwardでAWSの各サービスが、どんな分野で表彰されているのか、また他にどのようなサービスが表彰しているのか、そしてこれまでのStreaming Media Readers' Choice AwardでどのようなAWSサービスが受賞してきたかをまとめてみました。
The 2020 Streaming Media Readers' Choice Awardで受賞したAWSのサービス
まずはThe 2020 Streaming Media Readers' Choice Awardでトップ、そして次点となったAWSサービスをその分野と共にまとめていきます。
まずトップを受賞したAWSサービスは4つです。1つ目はCloud Encoding/Transcoding Service部門でAWS Elemental MediaLiveが受賞しました!次点としてはTelestreamのTelestream Cloud Services、Wowza Media SystemsのWowza Streaming Cloudが入っています。
Cloud Encoding/Transcoding Service部門でのAWS Elemental MediaLiveのトップ受賞は2年連続2回目です。その前はAWS Elemental MediaConvert、さらに前にはAmazon Elastic Transcoderが受賞しています。近年、Winnerがいわゆるファイルベースの変換サービスからスからリアルタイムの変換サービスになっているのも興味深い点ですね。
続いて2つ目はContent Delivery Network部門です、こちらはAmazon CloudFrontが受賞しました!次点としてはAkamaiのIntelligent Edge Platform、そしてVerizon MediaのVerizon Media Platformとなっています。
これまで何年も、WinnerはAkamai、Amazon CloudFrontはRunners-Upという構図が続きましたが、今年は晴れて!Amazon CloudFrontがWinnerに輝きました。個人的には大変うれしい!
3つ目はPer-Title Encoding Solution分野として、AWS Elemental MediaConvertが受賞しています!次点としてはBitmovinのBitmovin Per-Title Encoding、BrightcoveのContext Aware Encodingが入っています。
そして最後の4つ目はServer-Side Ad Insertion Solution部門、こちらはAWS Elemental MediaTailorが受賞しました!次点としてはBrightcoveのBrightcove SSAI、そしてWurlのAdSPringとなっています。
AWS Elemental MediaTailorは2年連続2回目のトップ受賞、次点での受賞を含めると3年連続3回目の受賞となります。
続いて各分野で惜しくもトップ受賞は逃しましたが、次点で受賞したAWSサービスです。まずはHardware ABR Encoders部門、トップ受賞はHaivisionのKB Seriesでした。次点としてAWS Elemental Liveが受賞しています。もう一つの次点はTelestreamのLightspeed Live Streamです。
続いてはHardware Input Devices for Live Production部門、トップ受賞はMagewellのPro Convert 4K/60 NDI Encodersでした。次点として2020年春に発表されたAWS印のハードウェア、オレンジ色の小さいながらも憎いやつ、AWS Elemental Linkが受賞しました!BirdDogのFlex 4K Familyも同じく次点受賞しています。
そしてLive Streaming Software部門では、Wowza Media SystemsのWowza Media Systemsが受賞、次点としてこちらも2020年に発表された新サービス、Amazon Interactive Video Serviceが受賞しています。もう一つの次点はZixiのZixi Software-Defined Platformが受賞しています。
以上、7分野でトップ受賞が4つ、次点での受賞が3つとなりました。おめでとうございます?
AWSサービスの過去の受賞歴
このStreaming Media Readers' Choice Award、調べてみた限りだと2015年から実施しているようです。その中でのAWSサービスの受賞履歴についても確認してみました。
The 2015 Streaming Media Readers' Choice Winners
- AWSサービスの受賞、なし
- Elemental Technologiesとして、Cloud Encoding/Transcoding Service部門でElemental CloudがWinner(トップ受賞)
- Elemental Technologiesとして、Hardware Encoder (On-Demand)部門でElemental ServerががRunners-Up(次点受賞)
この年はまだAWSサービスの受賞はありませんでした。AWSが今ほど一般的ではなかった、ということもあるのかなと思います。ただAWSがElemental Technologiesを買収したのが2015年9月、AWSとしては当時から有名であった企業を買収し、さらなるMedia & Entertainmentサービスの発展につながっていくことになったかと思います。
The 2016 Streaming Media Readers' Choice Winners
- Cloud Encoding/Transcoding Service部門にてAmazon Elastic TranscoderがWinner(トップ受賞)
- Runners-Up(次点受賞)にElemental TechnologiesのElemental Cloud
- Content Delivery Network部門にてAmazon CloudFrontがRunners-Up(次点受賞)
- Elemental Technologiesとして、Encoding Software部門にてElemental LiveがRunners-Up(次点受賞)
AWSサービスとしてはAmazon Elastic Transcoderが初のトップ受賞、そしてAmazon CloudFrontがRunners-Upでの受賞となりました。Amazon Elastic Transcoderのサービスリリースは2013年1月、Amazon CloudFrontはそれよりも前です。このことを考えると、AWS自体のサービス機能強化もあるとは思いますが、AWSの利用がより一般に広まってきての受賞なのかなぁ、とも思いました。
The 2017 Streaming Media Readers' Choice Winners
- Cloud Encoding/Transcoding Services部門にてAmazon Elastic Transcoderが2年連続2回目のWinner(トップ受賞)
- Content Delivery Network部門でAmazon CloudFrontがRunners-Up(次点受賞)
- Stream Stitching/Server-Side Ad Insertion Solution部門でAWS Elemental DeltaがWinner(トップ受賞)
2016年とあまり変わらない結果でしょうか。なお、Elemental Technologiesとしては2017年4月にAWS Elementalと名称を変更しています。そして2017年のAWS、Media & Entertainmentで最も大きなニュースのひとつはAWS Elemental Media5兄弟がリリースされたことではないでしょうか。ただしこちらは2017年11月、re:Invent2017での発表だったこともありAwardには反映されていませんね
The 2018 Streaming Media Readers' Choice Award Winners
- Cloud Encoding/Transcoding Service部門にてAWS Elemental MediaConvertがWinner(トップ受賞)
- Amazon Elastic Transcoderの後継サービスと考えれば3年連続3回目のWinner
- Content Delivery Network部門でAmazon CloudFrontがRunners-Up(次点受賞)
- Encoding Software部門にてAWS Elemental LiveがRunners-Up(次点受賞)
- Server-Side Ad Insertion Solution部門にてAWS Elemental MediaTailorがRunners-Up(次点受賞)
- Video Optimization Solution部門にてAWS Quality-Defined Variable BitrateがRunners-Up(次点受賞)
2017年11月にリリースされたAWS Elemental Media5兄弟からAWS Elemental MediaConvertとAWS ElementalMeditaTialorがWinner、Runners-Upをそれぞれ受賞しています。またAWS Quality-Defined Variable Bitrateは2018年8月にMediaConvertに対応したQVBRエンコーディングですね。こちらがランキングされるのが非常にマニアック(いい意味で!)と思いました。
The 2019 Streaming Media Readers’ Choice Award Winners
- Closed Captioning Solution部門でAmazon TranscribeがWinner(トップ受賞)
- Cloud Encoding/Transcoding Service部門でAWS Elemental MediaLiveがWinner(トップ受賞)
- Content Delivery Network部門でAmazon CloudFrontがRunners-Up(次点受賞)
- Hardware ABR Encoder部門にてAWS Elemental LiveがWinner(トップ受賞)
- Per-Title Encoding Platform部門にてAWS ElementalのQVBR EncodingがWinner(トップ受賞)
- Server-Side Ad Insertion SolutionにてAWS Elemental MediaTailorがWinner(トップ受賞)
- Single- or Dual-Stream Encoding Appliance部門にてAWS Elemental LiveがRunners-Up(次点受賞)
昨年2019年、実は今年よりもトップ受賞の数は多かったようです。また音声からテキスト変換するAWSのサービスAmazon Transcribeが入っている点も興味深いですね。
まとめ
The 2020 Streaming Media Readers' Choice AwardでのAWSの各サービスの表彰や、同分野で同じく表彰された各社のサービス、そしてこれまでのStreaming Media Readers' Choice AwardでのAWSの各サービスの表彰について振り返ってみました。個人的にはAWSサービスの競合となるであろう、他社各社のサービス、製品について知ることができたのも大きかったです。TelestreamはWirecastの会社だと思っていたらCloud Serviceがあるし、Wowza Media SystemsやAkamai、BrightcoveやZixiなど、各社それぞれサービスが進化しているのだろうなぁと思いました。AWSの2020年の新サービス、AWS Elemental LinkとAmazon Interactive Video Serviceも受賞しているのもすごいですね。来年2021年はどんなAward結果になるのか、そしてそこにどんなAWSの新サービスが入ってくるのかも楽しみです。